伊語とイタリアふつう生活 
by zefiro04
漢字を彫る人
突然、「信仰・愛・希望」の漢字を教えてくれ!
と、見知らぬイタリア-ナから電話があったのは一週間ほど前であろうか。

メ-ルで返事をしたが、私の方のメ-ルの調子が悪いらしく届いていなかったらしい。
かなり焦った様子で「お願い、助けて!」とまたもや電話があったのが昨日のバレンタインデ-。
そして電話の30分後には、我が家の玄関に立っていた。
彼女は、小柄でよくしゃべるイタリア人女性。

なんでも、刺青をするために「信仰・愛・希望」の漢字を知りたかったのだそう。

この聞いてきた漢字は、女性戦士の図柄と一緒に背中に彫るのだそうだ。

「やめんしゃい!、親が泣くでしょ」と私。
「泣かないわよ。どうしても彫るのっ!これが最後」彼女は横腹にもすでにトラの刺青をしている(見せてもらった)。
「じゃ、彫るなら日本で彫りなよ。彼らなら、漢字間違えたりしないし」

この案には、遠すぎるから。の理由で却下。
彼女曰く、リグ-リアに有名な彫り師がいるのでそこに行くとのこと。

「リグ-リア!!そんな遠くまで日帰りで彫りに行くの?そこまでして、何で彫りたいのよ?彼のため、とかそういうの?」とお節介で知りたがりな私。
「違うわよ。男なんて変わるんだから、男のために彫ったりしないわよ。ある本を読んだの。私はこの刺青で自分を変えたいの。決意なのよ」。

決意系か。。。
そういえば、懐かしのNHKで決意系の人々を放映してたッケなぁ。。
確か生きる証として刺青をする人とかとかだった記憶が。。。ウロ覚え。。

そして今日、片手にワインを持って、確認のためにもう一度やって来た。

彼女は、背中に彫る予定の女戦士の図柄を見せ「どお思う?」と聞く。
「きれいじゃん。イイと思う」と言うと、「そうでしょ~」とニッコリ笑った。

彼女が漢字を使いたい理由は「美しいから」とのこと。
日本にとても興味がある。とも言っていた。
ヘンな国」だからだそうだ(笑)。

彼女は自分も漢字を覚えられるか?と真面目な顔で聞いてきた。
「さぁね。でもそれだけ興味を持ってるんだからイけそじゃない?」
と、その後30分ほど彼女が持参した漢字のコピ-を見ながら話しをした。

「漢字は沢山あるけど、たとえ発音を知らなくても私たちは大体意味が分かるのよ。
例えば、魚っていうのはサカナなの。この漢字がついたものは魚に関係するものだなぁ~って、なんとなくイメ-ジできるのよ。スシって、魚って漢字とウマイの旨いが一緒になって鮨。(彼女のプリントに載っていたものを例えに話したので、寿司については触れていない)。難しそうに見えるけど(難しいが。。)とても遊びのある言葉なのよ」

漢字はこちらの人々には中々に魅力的にうつっているようで、様々な場所で「漢字」と出会う。

大学生のリュックサックに「俺」とサインペン書きされていたり、
ブリ-フケ-スに、雑誌の切り抜きの「寿」を貼り付けていたり、
つい最近までマクドナルドでは、「日本」を銘打って、サムライシェ-クやら春巻きの商品ポスタ-に「美味しさ」「楽しさ」などと印刷したものが店頭に飾られていた。
銀行のガ-ドマンの野太い首筋に縦書きで「復活」と刺青しているのも見たことがある。

大抵の人はファッションのひとつとして漢字を愛好するのだろうが、
彼女のように本当に何かを変えたくて、自分の肌に刻むものとして漢字を選ぶ人もいるのだろう。「異文化、新世界イコ-ル新しい自分?」。

私には本当のところは分からないが、彼女がこれで大きく変わりたい自分になれればいいのではないか。とも思う。

帰り際に「彫り終わったら見せてあげる。連絡するから待っててよ」と手を振り帰っていった。

彼女が置いていったワインには小さなカ-ドが添えられていて
「Grazie mille per la disponibilita e la gentilezza!」と書かれていた。

このワインは彼女の新しい門出を祝って、一緒に飲もうと思う。
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by zefiro04 | 2005-02-16 04:52 | ひと
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