伊語とイタリアふつう生活 
by zefiro04
ある装丁家
ャッ、ジャッって音がね、毎日近所の庭から聞こえてくるんだよ。この人、絶対に日本の禅の庭のことなんか知らないのに、庭には砂利が敷き詰めてあって、禅の庭みたいにしてるんだ。そして、禅の庭のように線を描いてゆくんだ。僕ね、この線を描いてゆく時の音を聞くの好きなんだ。聞いてると、なんだか穏やかな気持ちになれるんだ」

ひょんなことから、某大手出版社に勤める装丁家さんと話す機会があり、その折に彼の口から出た話題であります。以前から顔見知りではあったのですが、こんなに話しをしたのは初めてでありました。この装丁家さん、日本の精神性や骨董系に興味アリアリの、60歳前後と思われる知的な雰囲気漂うイタリア人男性。

そんな彼と炎天下の中、暑い暑いと言いながらも話し込んでしまいました。
私には砂利に線を描いてゆく音に静かに耳を傾けている姿や、職場では彼言うところの「カミザ」に座っていて、(上座とは後ろに壁のある席だと思っているようでしたが。。。)その壁にちょこっと腰掛けられる小さな箱を置き、時間を見つけては、こっそり黙想をしている。なんて話す彼は、「あまり人と話しをしない人」なんて周囲から思われてもいるようですが、これだけ知的で洗練された感覚を持ち合わせていたら、大勢の中にあって誰とでもあたり障りなくおバカ話しに興じるのはちょっとムズカシイのかもなぁ。と感じてしましました。人によっては、そんな彼をちょっと変わり者と思っている人もいるようですが、私には朴訥で深く確かな知性を持った方に思えました。

周囲の人は普段はあまり話しに入ってこない彼が、イタ語の怪しい私と小一時間も話し込んでいるのを見て、不思議に思ったようであります。私のイタ語の実力はお粗末ではありますが、色々なことについてじっくりとイタリア人なりと話し込んだりということは度々あります。私が相手だと、忍耐してもらわにゃならんこと色々多しなのですが、自分の意見を良い悪いは別としてしゃべくりまくるのが面白いらしく相手してもらえたりします。いやはや、ありがたや~。彼とは、日本とイタリアのことについて、お互いに面白いと感じた違いや文化の取り入れ方、自分自身の意見などなどを滔々と思いつくままに話し合いました。時間が過ぎるのを忘れるとはこのことですね、ってくらい文法はめちゃくちゃでしたがしゃべくりまくってしまいました。

そうそうこの紳士、ミラノのとある禅の庭を模した公園を教えてくれました。
彼はここで、出勤前に一服して心を落ち着けてから会社へ向かうそうです。

「僕にとっては、楽園」なのだそう。。。

そんな彼が好きな装丁の仕事は、スパイ小説なのだとか。。。
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by zefiro04 | 2005-06-22 04:23 | ひと
<< 時の経つのは早いもので。。。 ある試験の一日 >>


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