伊語とイタリアふつう生活 
by zefiro04
そら
夏の始まりの頃の夕暮れ時に、教会で合唱の練習があった。
私が教会に着いた時には、すでに参加者が集まっていて、
「まだ鍵開かないから、みんなで空見てんの。今日は特別キレイだよ。
ここ座んなよ」
と、教会の前の階段から手招きしてくれた。

その日の空の色は、印象派と呼ばれた画家たちの絵に描かれた空を彷彿とさせる色で
「印象派と呼ばれる画家さんたちは、本当は写実派だったのかもなあ~」
と感じ入ってしまうほどだった。

そういえば、子供の頃は、よく空を見上げていた気がする。
大人になってから空を見上げるのは、天気を確認する以外では滅多になかった。

こちらに来てから、相方と一緒によく空を見るようになった。
空のきれいな時は、お互いに声を掛け合う。  
「今日は、空がきれいだよ」、「月がきれいだよ」と。

相方が、「月のどこに兎が居るの?」と、たびたび聞いてくるので
テキト-に説明すると、「日本人は想像力が豊かだよね~」などと感心して、
最近は月や雲をみると、日本人の想像力を真似、独自の説を披露してくれるのだが。。。

「おっ、あの雲、アイロンみたいだね~」
「。。。。。」

まだまだみたいである。
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# by zefiro04 | 2004-11-10 16:25 | ほんの日常
定冠詞に悩む
先日、語学の授業中にキレて叫んでしまいました。

「なんで-、定冠詞なんてあるんですか--!」

本気で怒ったつもりだったが、どこか滑稽だったらしく爆笑されて終わってしまった。。。

クラス分けテストでは、ソコソコの点数を獲得できたのだが、
定冠詞に関する問いで、かなり引っかっかってしまい、
今は冠詞ばかりをやるクラスに入れられています。

テストの結果は、点数というよりは、どこを間違えたかで
クラス分けがされるのは良いと思うのだが。。。

ホント、冠詞しかやらないのにも関わらず、痒いところの説明に乏しい。

そんな私を見て、先生は優しく「耳で覚えれば大丈夫よ~」と
慰めてくれたのだが、余計に混迷の度合いを深めてくれています。

私の理屈っぽい性格がイカンのでしょうか。。。

勝手に「何か法則があるはずだ!」、と悩み、考え、
「これは、イケルかも」と法則らしきものを見出すも、すぐに
「ち、違うのか。。。」と、自説を否定される例文に翻弄されっぱなしなのであります。

いつになったら、定冠詞の山を越えられるのか。。。トホホ。。。
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# by zefiro04 | 2004-11-07 17:08 | ことば
リチェオ・ムジカ-レ
北イタリアで、音楽の仕事やチャンスを得やすいとされる都市は
ミラノは言うに及ばず、ピアチェンツァ、パルマ、クレモナあたりが
挙げられると思う。日本人が数多く住んでいる街でもありますね。

残念ながら私の住む街は、上記のどれにも属さず、音楽的チャンスには
ちと乏しいと言われている都市。

自分としては、仕事のチャンスは今のところあまり興味はないが、
やはり、物心ついた時から慣れ親しんできた音楽を辞めてしまうのは
ナンだったので、「勉強」という視点から、先生探しを始めた。

まあ、紆余曲折あったのだが、運良く「リチェオ・ムジカ-レ」という
一般にも開放されている音楽学校があったので、見学に。

見学させてもらった学生は、彼女連れでレッスンに臨むイタリア人青年。
どうやらこの日は調子が芳しくないらしく、
「朝食べたスパゲッティのせいで調子が悪い!」と先生に直訴していた。

そんな彼だが、細身から出る声は特別なものは感じなかったものの、
すっきりと、素直な声で、先生の指摘も的確だと思えたので、
10月からの個人レッスンに申し込むことに。

で、10月からこの先生の個人レッスンに通い始めたのですが、
色々話しあい「声なくして、歌は無し」との私の意見もあり、
今は、大もとになるド基礎を学んでいます。

彼女は、F.ディ-スカウやE.グルヴェロ-ヴァ、E.シュヴァルツコップらを
教えたドイツ人(あ-、名前忘れてしまいました。。)に師事した人で、
自らも舞台に立っている現役の歌い手さんでもあります。

で、どんなレッスン内容かというと。。。
彼らも練習の際に行った、呼吸法を学んでいます。単純なんですけど、
やっていて、「こりゃ、完璧にできたら、ほとんどのものが歌えるワナ」ってな
くらい、体、呼吸ともに完璧なコントロ-ルを要求されるものです。

「1年くらいでマスタ-できたら、次考えましょうね~」と言われたが、
「マスタ-できるんかい。。」と、いつでも無防備で怠惰な自分の体を眺め
溜息つきつつ、練習の日々であります。

しかし、こういった比較的安価で、良質な教育が受けられ、広く一般人にも
開かれている公的な学校があるというのは、羨ましいかぎり。

日本にも、こういった形の邦楽中心の音楽学校があるといいよな~。
と、邦楽の響きにも魅かれる私はフと思ってしまいました。

リチェオ・ムジカ-レとは、
(ここ最近、プレコンセルヴァトワ-ルになったようだが。。)
子供から大人までが、自由に科目を選択して通える一般に開放された音楽学校。
コンセルヴァトワ-ルの受験を目指す人もいれば、会社帰りに趣味で通う人など
学生の目的は様々。金銭的にも先生との直接交渉がなくスッキリしている。
日本の相場に比べれば安いのではないだろうか。
講師陣は、現役のコンセルヴァトワ-ル教師、音楽家などなど。
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# by zefiro04 | 2004-11-05 19:45 | 音のあるくらし
奥様軍団
週一回。午前中コ-ス。生徒は全員女性。

先生は、無口なイタリア人男性。
(無口すぎて、日本語レベル判定不可能)

学生の頃、授業が午後からの日があったので、
午前中のイタリア語のクラスを受講したことがあります。

時間帯が遅めの午前中とあってか、家事を終えたと
おぼしき奥様方ばかりのクラスで、学生は私ひとりでした。

と、と、とにかく、スゴイ奥様方ばかりでした。。。

縦襟ヒラヒラのおブラウスに、ギラリと眩い光を放つ大型ダイヤを
お指に嵌めてらっしゃる奥様や、お年は60代と拝察させていただくも、
年齢知らずの黒々としたおぐしで、ルイ王朝時代の輝きを彷彿とさせる
縦巻きロ-ルに、お顔はフランス革命後の混沌とした時代をくぐり抜けて
きたかのような酸いも甘いも噛み分けたご面相の奥様などなど。。。

貧乏学生の私めには、ただただ羨望あるのみでした。。。
お時間とお金がおありになるのですね、と。

授業はどのようなものだったかというと、たびたび始まる日本語での
「お家自慢」に結構な時間を割かれるも、先生はただ傍観するのみ。。

「主人の仕事でドイツに行きました時に。。。」
「まぁ、いつ頃いらしてたの?私も。。。。」

先生&私「。。。。。。」

これが始まってしまうと、もう止まらない、止められない。

どんなベテラン教師も、この奥様軍団を止められるとは思えないので、
先生に非は無いと思っています。

そんなこんなで、授業は奥様サロンと化していたのですが
ある日、そんな奥様たちにとっての一大イベントと思われる課題が出て
しまったのです。

「来週は、家族について話し合うので、家族の写真を持ってきて下さい。
何を話すかも考えておいて下さいね」とのことでした。(イタリア語で)

そして翌週。。。
私は、弟と犬が写っている写真を一枚持って行きました。

奥様方は。。。。
先生は家族写真を持って来るように言いましたが、(大量の)「家族のメモリ-」
持って来いとは言いませんでした。。。

ある奥様は、5cmはあろうかというスナップ写真の束を。

ある奥様は、結婚式やお見合い写真に使う豪華版の写真入れに入った
お嬢様の成人式のお写真+大量のスナップ写真を。

ある奥様は、ご自分が主催されているお教室の発表会のチラシ+お教室の歴史の
大量のお写真+これまたスゲ-量のスナップ写真。。。。。。。

とにかくどの奥様も、他の奥様方に負けてたまるか、と言わんばかりの
量をご持参だったのです。

で、授業内容はというと。。。

写真をお使いになっての(日本語での)、ご自慢大会で、その日の授業は終了しました。
とほほ。。

その日、先生は私に優しく「なんで君は一枚しか持って来ないの?恥ずかしがり屋なの?」とお声をかけてくれました。

その時、私はハッとしました。
「これではいけない。この奥様方のように、自ら進んで自分を表現して行かなければ!
(イタリア語で)」と思ったのでした。

しかし、今でも、表現力と押し出しの弱さは相変わらずです。

このクラスで学んだことは、
「午前中のクラスを選択する時は慎重に!」ということで、
イタリア語上達度は限りなくゼロのクラスでした。
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# by zefiro04 | 2004-11-04 05:36 | ひと
デキルひと
《中級》レベル。12回コ-ス。レベルテストなし。
時間午後。男性2人、女性4人。
一人を除いては、皆実力は似たり寄ったり。

先生は日本語を流暢に操るゴ-ジャス系美人のイタリア人。

《デキルひと》は最初から一線を画していました。
まず、授業が始まる前に一人ひとりにメモ帳片手に
「D です。あまり出来ないので、ご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが、
よろしくお願いしまース。まずはお名前教えて下さーい」。

年の頃は60代くらいでしょうか、非常にスッキリとした印象の、見目麗しい方です。
黙って座っているだけでも、話しかけさせていただきたくなるようなフインキが漂って
いました。

しかしこのご挨拶まわりで、私はある不安に襲われてしまいました。
「また授業料をドブに捨てそうな予感。。。」

かくして不安は的中となるのですが、この人のために通わなくなるのも
アホくさいので、通学することに。

先生は毎回最初に、週末何をしていたかを皆に聞きます。
まだ話すのがやっとこさ、という実力であるのと、周りとのバランスも考え
皆長くても5分は掛からない程度に収めて終わるのですが、Dさんは毎回、
ネイティブ顔負けのスピ-ドで短くても20分は一人舞台、最高記録は40分。

その上、誰かが分からず口ごもると、即座に「これはこう言うのよ!」と助け船。
先生がイタリア語で説明するのに対し、質問をすれば彼女が答えるという活躍ぶり。

最初は先生の補助的《?》役割に徹していたDさんが、同時通訳者へ、そしていつのまにやら誰かの質問にも、彼女が答えるという訳分からん状態に。

女性陣は貝になり、男性二人は、Dさんに挑むかのように先生に質問するも、横からDさんが答え、それを完全無視して話しを続ける、という状況。

「先生、仕切ってくれよー」私は心の中で叫ぶも、Dさんは、イタリア勤務を経験し、通訳、翻訳もこなす百戦錬磨のスゴウデ《Dさんの最初の短くても20分のスピ-チより》

若いピチピチイタリア-ナに仕切れようはずもなく、教室は重苦しい雰囲気に。

そんな煮詰まって来た頃、一度だけDさんがお休みしたことがあります。
休む前の週に、自から説明されたところによると、世界的にも有名な某雑誌のパ-ティーで通訳の仕事があるから、とのことでした。

Dさんの居ない授業は、いつになく和やかな雰囲気。

帰りがけ、同じクラスのAさんが「これが普通の授業だよね。。。」と静かにポツリと呟いたのが印象的でした。

次の週に復活したDさんが、いつもよりパワフルだったのは、ご想像通りです。

この日、先生は私に最近見た映画はあるか?と質問されました。
私はイタリアもののタイトルをあげたように記憶しています。

しかし、どうやらこの映画はDさんのお気に入りだったらしく、いつにも増してのダンガント-クが炸裂してしまいました。

「しまったー。見なさそうなアメリカモノにしときゃ良かった。。」後悔先に立たず。
私は映画のタイトルを答えただけで、発言は終了。

この日のことは、ため息をつく程度の出来事ではありましたが、授業も後半になり、
小さなヤレヤレがかなり溜まっていたこともあり、私はDさんを疎ましく感じていました。

帰りがけ、Aさんに「またこのクラスを継続する?」と聞かれ、授業の始まる前にDさんが
「また皆さん楽しく勉強しましょうよお」と誘っていたことを話しました。
Aさんは即答で「彼女が居るなら辞める」と一言。私も「そうですよね~」と激しく同意しました。

次の週、少し早めについた私が、教室前で顔見知りと立ち話しをしているところへ、
Dさんが小さな新聞の切り抜きを私に見せに来ました。それは、先週私がタイトルを挙げた映画の放送紹介でした。とても小さい記事を、定規を使ったようにキチンと切り抜いてありまた。
Dさんは「あなたが話していたから」と私のために切り抜いてきてくれたのです。

私は、こんなに優秀なDさんが教室に通い続ける理由を理解しました。

彼女は《友達》を探しに来ていたのです。

哀れと、今までの疎ましさとの入り混じった複雑な感情に襲われ「はあ~」としか答えられませんでした。
こんなに輝かしいキャリア、素晴らしいご主人。。。皆から「お近づきになりたい」と思われる要素満載の彼女が友達を探しに来ているのです。

そして、彼女の行動が走馬灯のように思い出されました。
いつも早くに教室に入り、誰かに話しかける。しかし気づいていたのでしょうか。
誰も授業の直前にならないと教室に入らない理由を。

ほぼ毎回、皆にお菓子などの手土産を持って一生懸命話し掛けている姿と、
私がすでに「観た」と言った映画の放送予定を持ってくる、
心細やかだけど、ズレた心づかい

いつもシャキッとして聡明な彼女が、孤独な老婆に見えてしまいました。

Dさんは、黙っていれば人を惹き付けずにはいられない雰囲気がある方です。
とてもお優しい方でもあります。
でも「ウゼ--」のです。彼女のあれだけの魅力を持ってしても、この「ウゼ--」の
方が重いのです。

多分、そう感じたのは私だけではないように思います。
あれだけ饒舌なDさんの口から、個人的に親しいとして話されたお友達の話題が
思い出せません。

華やかな交友関係、輝かしいキャリアに関する数々の話。。。

結局、私はこのクラスの継続受講を希望しませんでした。
後で、このクラスの受講希望者の人数が足りなくて閉鎖になったのを知りました。

しばらくして、たまたま手に取ったある雑誌のインタビュ-記事を読んだ時、
訳者にDさんの名が記されていました。

彼女はまだイタリア語を習いに、自分のレベルとはかけ離れたクラスに通っているのでしょうか。

クラス分けテストは必要かもナ。。。
と、思った3ヶ月でした。

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# by zefiro04 | 2004-11-03 17:46 | ひと


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